一般投資家向け

どんなお金のプロに相談すればいい?「ファイナンシャル・プランニング」の注意点は?

IFA法人GAIA FP/CFP® 新屋真摘さん

前回の記事では(失敗に気をつけて!資産運用の前にやりたい「ファイナンシャル・プランニング」とは?)、いきなり資産運用をするのではなく、まずは「ファイナンシャル・プランニング」を立てることの重要性についてお伝えしました。では、どんな相手と考えたらよいのか、そして、気を付けるべきポイントはどんなところでしょうか。IFA法人GAIAの新屋真摘さんにお話を聞きました。

――いきなり資産運用をしようとせず、まずは「ファイナンシャル・プランニング」を行うことの重要性を伺いましたが、どんな相手と進めたらよいでしょうか。

新屋真摘さん(以下敬称略):「ファイナンシャル・プランニング」は、多くは保険や住宅購入、資産運用などの相談をする際、保険代理店や保険会社の営業担当者やファイナンシャル・プランナー(FP)、IFA(※)と一緒に行うケースがあると思います。独立系と呼ばれる金融機関に属さないファイナンシャル・プランナーに相談する場合もあるでしょう。

※「IFA」とは金融商品仲介業者に所属する外務員及び個人の金融商品仲介業者である外務員のこと。

それぞれのメリット・注意点をまとめました。

●ファイナンシャル・プランナー(FP)
個人で活動しているケースもあれば、FP会社、保険会社や銀行等の金融機関に所属しているケースもある。FPは資格があり、国家資格である「FP技能士(1〜3級)」に加えて、日本FP協会が認定する「CFP®認定者」や「AFP認定者」などもある。
メリット…年金や保険、税制、住宅ローン、相続など、くらしとお金にまつわる幅広い専門知識に基づいて「ファイナンシャル・プランニング」を立ててもらえる。
・注意点…内閣総理大臣による金融商品仲介業者の登録を受けていない場合、具体的な金融商品の仲介(紹介や販売など)ができないため、例えばどの投資信託を選ぶかもご自身で選択し、手続き等を行う必要がある。また、専門が節約、住宅購入など細分化しているケースもあり、資産運用については専門外というケースもあるので得意な分野を確認しておくと良い。

●保険代理店
・メリット…店舗が多いので、気軽に相談しやすい。ライフプランに基づいたファイナンシャル・プランニングを立てた上で、もしもの時の保障について手厚く提案してもらえる。
・注意点…リスクに対して「保険」で備えることが基本になるので、保障についてだけでなく、お金を増やす場合でも保険商品から選ぶことになる。店舗異動の可能性があり、担当者が変わってしまうことも。資産運用に関しては、相談員によって知識に差がある。

●IFA
・メリット…「ファイナンシャル・プランニング」に加えて、内閣総理大臣による金融商品仲介業者の登録を受けているため、具体的な金融商品の仲介(紹介や販売など)まで、ワンストップで相談できる。特定の金融機関の営業方針や商品に縛られる事なく中立的な立場でアドバイスしてもらえる。また、保険代理店も兼業していれば、保険と投資信託など、目的を分けて提案・仲介してもらえることも。多くは転勤がないため、担当者の長期的なフォローが期待できる。
・注意点…まだ人数が少なく(日本で6000人ほど)首都圏に集中しているため、地方などでは近場で相談しにくい。ただし最近はオンライン相談も増えている。
会社によってサービス内容や経営方針に違いがあるため、ファイナンシャル・プランニングを行わずに証券口座開設や金融商品の提案に特化した会社もある。

それぞれ、メリットと注意点がありますので、「相手はどんなタイプなのか」を理解したうえで、相談することが大切です。

「何を相談したらよいかわからない」という場合は、幅広く相談に乗ってもらえ、具体的な運用方法のアドバイスから、実際の行動へのフォローまでしてもらえるIFAに相談してみるのも選択肢です。

――こちらの「ファイナンシャル・アドバイザー協会」に所属している場合は、原則的に「ゴールベースプランニング」という、顧客とその家族のゴールに基づいた資産運用の提案やアフターフォローの手法を学んでいます。

新屋:弊社IFA法人GAIAもお客様とご家族のゴールや価値観をお聞きし、ゴール実現のための資産運用の提案を行っています。一度聞いたら終わりではなく、聞き続けることが大事で、ゴールへの進捗を確認しながら 長期に渡って伴走していくことを目指しています。
いきなり「こんなにいい金融商品があるんですよ」という提案をしてくるところは、お客様の“ゴール”を見ていない可能性があり、要注意です。

そして、ゴールに基づいた資産運用が始まった場合、それで終わり、というところも要注意です。マーケットは常に動いていくもので、マーケットが変わった場合にどうしたらよいのかわからなくなってしまうこともあります。お金のプロの立場から定期的にアドバイスをもらえるようなIFAなら、長い人生、安心して資産形成を進められるでしょう。

投資信託の平均保有期間は、ネット系証券会社では2年程度といわれていて、相場が大きく動いたときに焦って売却してしまうケースも多いようです。ゴールに向けて長期的に資産運用を続けるためには自己流の判断を行わないよう、お金のプロによる伴走が効果的だと思います。
金融庁データから

――人生にいろいろな変化があるものですが、「ファイナンシャル・プランニング」を見直すのはどんなタイミングがおすすめでしょうか。

新屋:「個人」と「世の中の経済状況」の変化の2つのタイミングが考えられます。

まず「個人」では、例えば以下のように変化があったケースです。

●仕事が変わった、収入に変化があった、退職した
●家族構成が変わった(結婚した、子どもが生まれた、離婚した、等)
●住宅を購入した
●親の介護が始まった
●相続をした

「世の中の経済状況」は、例えば以下のように、マーケットが変わったり、保有資産に思った以上の変化があったりするケースです。

●マーケットが大きく変わり、資産が予想外に減った/増えた
●物価が少しずつ上昇している
●金利に変化があった
●NISAなどお金まわりの制度が変わった
●新しい金融商品が出てきた

特に、国の制度や金融商品の変化については、個人ではなかなか把握しにくいため、お金のプロに相談することが得策でしょう。

――そんなさまざまな変化のタイミングで「ファイナンシャル・プランニング」を見直すことで、どんなメリットがあるでしょうか。

新屋:見直すことで、そのときにぴったりあった資金計画を立てられますね。人生や世の中の経済状況に変化はつきもので、当初の計画とズレが生じていないかどうか、例えば3~5年に1回くらいは見直した方がいいでしょう。

定期的な見直しで、今後の自分の資金ニーズが把握できていれば、マーケットが下がったとしても、平常心でいられます。たいていの人は、マーケットが下がると怖くなって逃げたくなる、つまり低い値段で売ってしまいがちです。ですが、改めて冷静に「ファイナンシャル・プランニング」を立て直してみるなかで、しばらく大きなお金を使う予定がないことがわかれば、慌てて投資性商品を安い値段で売却する必要がありませんので、損を出すことを防げます。回復まで待つ判断ができれば、結果的に資産を増やすことにつながるケースも多々あります。

逆に自己流で判断すると、お金をどんどん投資に回してしまい、手元に置いておくべき資金がなくなっているケースもあります。長い目で見て、手元に置くお金と投資に回すお金の最適な割合も考えながら、状況に応じて見直していくことが大切ですね。

――特に投資性商品を持っている場合、経験が少ない個人の場合は、お金のプロに伴走してもらったほうが安心感がありそうですね。

新屋:マーケットが下がり続けている場面に出くわすと「いつまで下がり続けるんだろう」と不安になってしまうものです。大きく下がったところで耐えられずに売ってしまい、投資をやめてしまうケースもあります。

また、自分でどれくらいのリスクをとって運用しているか、把握していない方もいます。ネットの情報で見よう見まねで始めると、マーケットの良い時はいいですが、そうでないときにどうしたらよいか困ってしまうこともあるでしょう。

IFAに伴走してもらって「ファイナンシャル・プランニング」を都度見直していくことで、資産運用の背中を押してもらったり、ブレーキをかけてもらったりできるでしょう。結果的に長く運用を続けていくことができれば、目指すゴールの実現度をより高められるはずです。